MC スタンダード

 2005年のTICAメインクーンのスタンダード改正に伴い,新しいスタンダードを翻訳してみました。私なりの解釈のものです。違う点もあるかもしれませんが、 そのへんはご容赦願います。

・頭部計40points
   形
   目
   耳10
   マズルとあご10
   横顔
・ボディ計35points
   胴10
   四肢
   尻尾
   骨格
   (筋)肉付き10
・毛の色・模様計25points
   長さ10
   毛質
   カラー
   パターン
・カテゴリー    :トラディッショナル
・ディヴィジョン  :全て
・カラー       :全て
・許される異種交配種:なし

全体的なバランスとプロポーションはメインクーンにとっては必須であり,他の部位に比べて際立って目を惹く箇所があってはならない.


◆頭部
 形: 幅広で適度なくさび型、ボディとのバランスがとれたサイズであること.幅広というよりはわずかに面長である. 高く突出した頬骨の下にマズルの終点が明白に分かる事。
 目: 大きく、少々楕円形。目を見開いたときにはまん丸に見える。目の間隔は広い。 目尻は耳の外側の付け根に向かって少し斜め方向を向く。 目色は、グリーン〜グリーンゴールド〜ゴールドの範囲内の濃淡のもので毛色と目色の相互関係はない。、 白猫と&ホワイトの猫に関してはブルーとオッドアイが認められる。

 耳: 大きく,付け根は幅広。外側の付け根は,内側の付け根より少し外側についている。 耳の外側の付け根は,目尻の高さより少し高い位置についている.耳の外側の淵は,少し外側に傾いており, 11時と1時の方向を越えないこと.頭の高い位置についており,内側の付け根は耳1つ分の幅より狭い. 耳の高さは,付け根の幅よりも長さがあるが,頭部の長さとバランスがとれていること. ほどよく尖った耳は,リンクスティップにより実際よりも少し高く見える. 飾り毛が耳の外側に向かって生えている.
 あご: 幅広で,マズルが四角形に見えるのに十分なだけの奥行きがあること.鼻から上唇,下あごにかけてのラインが一直線であること.
 マズル: 四角い
 横顔: 額はなだらかな傾斜である(ジェントルカーブ)。 ノーズブリッジ(鼻と額の接点部)はゆるやかに凹にカーブしており,そのままスムーズな鼻筋へとラインを描く。 Kittenに関してはわずかなバンプ(コブ)は許される.

◆ボディ
 胴: 大きく、長く、重量級で肩とお尻までの部分が長方形.胸は幅広で 背中は真っすぐ.メスは明らかにオスよりも小さい.
 骨格: 堅固である。
 (筋)肉付き: 堅固で力強い。
 脚: 中程度の長さで,脚と胴とで長方形をかたちづくる.

 足: 足は大きく、丸く、飾り毛がよく生えていること。
 尻尾: 長さは少なくともボディと同じ長さ(尻尾の付け根から肩までの長さ)で,付け根は太く、先っぽにかけて細くなる。 毛は豊かで流れるような毛である。

◆毛の色・模様
 長さ: 不揃いである。肩の毛は短く、だんだんと背中や横腹にかけて長くなっていく。 腹部と半ズボン丈の部分の毛は長くて豊かでシャギーである.尻尾の毛は長くて豊かである。正面のラフ(襟毛)は年齢とともに長くなる.
 毛質: 全天候型の毛である。薄いアンダーコート(下毛)がコートに厚みを持たせるが,ボディに沿ってなめらかに流れるように生えている。毛質は綿のようであってはならない。
 カラー: Partycolor(アンドホワイト)の猫は脚4本ともにホワイトがあること.


<総括>
メインクーンは、アメリカの自然発生の長毛種である。本質的に気立ての良いこの種は、 自然に適応する者が生き残る自然淘汰のなかで進化してきた。 忘れてはならないのは、メインクーンは基本的に、未開の奥深い森の地や 厳しい気象条件の中で自活できる”ワーキングキャット”として進化してきた事である。
メインクーンは大型種で、大きな耳・幅広い胸・堅固な骨格・長く、物凄く筋肉質で長方形のボディ・ 長くてゆったり垂れた尻尾を持つ。 健康で重量感のある筋肉により、メインクーンは力強く見えるのである。

<許容点>
スタンダードにおいてはオスの方が好ましい.オスとメスのサイズの違いは必ず考慮せねばならない. サイズによってタイプが損なわれることがあってはならない.メインクーンは成熟するまでに時間がかかる種である. Kittenでの幅の狭い耳つき位置,成熟したオスの幅広な耳つき位置は大目に見られる.

<減点対象>
・目:アーモンド形のつりあがった目・見開いたときに上瞼がフラットである目
・耳:耳の間隔が狭すぎ,垂直に立った耳・耳の付け根が狭い耳・耳の間隔が広くて広ってしまった耳.
・顎:弱々しく,後退している顎・幅がなく,奥行きのない顎.
・マズル:著しいウィスカーパッド.
・横顔:真っすぐな横顔・ローマンノーズ・著しいバンプ(鼻筋のコブ)
・胴:幅狭な胴
・尻尾:短い尻尾
・コート:少々のアンダーコートもないこと・お腹の毛がシャギー状でないこと・全体的に均一なコート
・カラー:明らかなロケット(ソリッドの猫に見られる,白い斑点)

<前スタンダードからの変更点>
頭部について:形の点数が5点減,横顔が5点増加,首の点数が削除.
ボディについて:胴,骨格については変更なし.四肢が7点減,尻尾が5点減,(筋)肉付きが7点増加.
毛の色・模様について:パターンの項目が5点追加.長さ,カラーは変更なし.毛質が5点減.”毛量は豊富である必要がない”という文言が消えた.
減点対象について: 以下の項目が削除された.
・アンダーショット(受け口)。
・長すぎる脚。
・丸い頭部。
・短く、コビー(ペルシャのような体形をコビーと言う。)なボディ。
 (つまり、MCにしては寸足らずなこと)
・か細く、重量感のない骨格。
・全体に小さな猫。

<管理人のひとりよがり考察>

  • 点数が下げられた項目に関しては,全体のメインクーンレベルの向上により ショーに出陳される猫に当然として備わっているべきものであるという前提があると解釈すべきであろうと考える. したがって、前スタンダードの理解も依然として必要であり,点数の下がった項目を軽視していいという間違った解釈をしてはいけない.
  • ”全体として際立って目を惹く箇所がないこと”という文句に対しては抵抗を感じるが,これはメインクーンに限らずショークォリティの猫には 全ての項目がトップレベルの水準で備わっているべきであるという理想像の文句であると考える.
  • 全体として,耳やプロファイルといったTICAメインクーンの特徴を出しつつも重量感が強調される結果となったように思う.しかし,それならば何故,脚部の堅固さの項目を削ったのかよく分からない. 胴が立派ならば必然的に脚も立派な骨格・筋肉を持つということであろうか.3点と、申し訳程度の点数が残されたのは前足が短いノルウェージャンなどとの差異を 残しておくためだろうか.
  • 毛量は,やはり多い方がいいということかな。オーナーのコンディション維持能力も問われるということで、ショー好きの私ではあるけども耳が痛い。。頑張らなくては。。
  • 前スタンダードはこちら


    January2006スタンダード変更にともない,修正 

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